睡眠の質と関係する食生活はどんな食生活?

2021年7月29日

はじめに

以前、「COVID-19感染拡大防止を目的とした外出制限措置中に睡眠の質が低いと感じている人が半数以上いる」ことを報告した論文を紹介しました。


その論文では、性別・居住地、睡眠覚醒リズム、メンタルヘルスなど、様々な要因が睡眠と関係していたことも報告されています。

睡眠時間の短縮や低い睡眠の質は、肥満や糖尿病といった生活習慣病とも密接な関係があるため、量・質ともに十分な睡眠の確保は、健康に生きるための最優先事項です。

また、睡眠不足による生活習慣病の発症には食生活が関与していることが指摘されており、睡眠時間の短縮が過度なエネルギー摂取を招くことも報告されています。

今回は、成人女性を対象として睡眠の質と食生活との関連を検証した論文を紹介します。

論文概要

出典

Zuraikat FM, Makarem N, Liao M, St-Onge MP, Aggarwal B. Measures of Poor Sleep Quality Are Associated With Higher Energy Intake and Poor Diet Quality in a Diverse Sample of Women From the Go Red for Women Strategically Focused Research Network. J Am Heart Assoc. 2020 Feb 18;9(4):e014587. doi: 10.1161/JAHA.119.014587. Epub 2020 Feb 17. PMID: 32063123; PMCID: PMC7070194.

方法
英語あるいはスペイン語を話せる20-76歳の女性495名を対象
対象者には様々な人種・民族がいた

調査項目は下記のとおり
・Pittsburgh Sleep Quality Index(PSQI):睡眠の質
・Insomnia Severity Index:不眠重症度
・Block Brief Food Frequency Questionnaire (FFQ):食事の量と質

結果
・睡眠の質が低い人は、不飽和脂肪酸の摂取量が少なく、食品や添加糖類の摂取量が多かった
・入眠潜時(覚醒状態から眠りにつくまでの所要時間)が60分以上の人は、15分以下の人と比べると食品の重量やエネルギー摂取量が多い一方で、全粒穀物の摂取量が少なかった
・不眠重症度が高い人は、食品の重量やエネルギー摂取量が多く、総脂肪あるいは不飽和脂肪酸の摂取量が少なかった

解説

結果は要約(Abstract)に記載されていた内容を引用しましたが、本文ではエネルギーの摂取比率や食物繊維、野菜、フルーツおよびカフェインの摂取など細かい関係まで検証されています。

この論文は、睡眠不足を実感していた人は、摂取するカロリーや重量が多い傾向にあったことを報告しています。
また、一般に健康に良いと言われる全粒穀物や不飽和脂肪酸については、摂取量が少ないと睡眠不足を感じている傾向にありました。
したがって、食べ過ぎや貧しい(Poorer)な食生活を送っている人の睡眠状態が悪かったという結果になります。

この論文は横断的な観察研究であるため、詳細な因果関係や、食べ過ぎると睡眠の質が悪くなるのか、睡眠不足だから食べ過ぎてしまうのかといった点は不明です。

いずれにせよ健康であり続けるためには、日々の睡眠と食生活の質を整えることは必要不可欠な取り組みです。
当たり前のことですが、睡眠や食生活を常日頃改善する姿勢が最終的には健康を手に入れる近道に違いありません。

まとめ

食べ過ぎは睡眠の質を低下させる